Publish while resting-ぐだぐだわーくす

BLOG that considers the world funny conquest. Worship me (* 'ω' *

並べ読みしないと駄目!報道しない自由を行使する新聞の無責任を知ろう

f:id:dacs:20170912073506j:plain:w760

こんにちは、DACです。

今回は、報道はやはり複数を見ないと偏るという話を少しします。

「人づくり革命」始動

昨日9月11日、先般の内閣改造で新規に追加された方針の一つ「人づくり革命」の実行フェーズとして総理大臣官邸で「第1回人生100年時代構想会議」が開催された。その主の目的は、名前の通り人の平均寿命が100年に近づき超えていく中で持続可能な社会をいかに構築していくかを検討するというものだ。

会議の結果を受けて安倍首相は四つのポイントを挙げて纏めた。

  1. 全ての人に開かれた大学教育の機会確保:志があっても経済的に恵まれない若者が勉学に専念できる環境整備が必要であり、教育負担の軽減のため、給付型奨学金や授業料の減免措置などの拡充・強化を検討
  2. 大学改革:何歳になっても学び直しができる環境を整備。学問追求と実践的教育のバランスに留意しつつ、実践的な職業教育の拡充を図る。リカレント教育を受けた方に就職の道が開かれるよう、産業界には人材採用の多元化を検討
  3. 全世代型社会保障への改革:若い世代への公的支援の充実。待機児童対策、幼稚園・保育所といった幼児教育無償化の加速、また、介護離職ゼロに向けた介護人材の確保対策
  4. 財源の確保

個人的な所感

「人づくり革命」という言葉を初めて聞いたとき、「何これ?イロモノ?」と思ったものだけど、これは随分まともに国の状況に合わせた政策検討ではないかと思った。

ただでさえ、少子化で先細りの日本の未来は明るくない。この状況で頭数が多い高齢者に偏重した政策ばかりを進めるのは決して持続可能ではない。政治家としては選挙を通ってなんぼという考えで票田として大きい高齢者に媚びた政策を打ち出し続けてきたし、今尚その傾向は変わらない。若い世代に着目し、彼らの貧困や教育の不平等にメスを入れるのは非常に革新的なことだろう。

既に社会に出た人間への教育の機会も検討しているところは意欲的というか、欲張りすぎな気もするが決して悪い話では無い。一旦会社に入ったらその会社で骨を埋めるような社会は最早存在しない。個々人の能力を向上し能力を底上げして社会貢献するという流れが出来たら素晴らしいと思う。

一方で安倍内閣の方向性は必ずしも一定的では無いという指摘は正しい。鳴り物入りの政策を立ててはその結果が明確に出て総括する前に次の鳴り物を用意する。ハーメルンの笛吹き的な感じで引っ張って行かれた先に責任を持って欲しいし安心させて欲しい。発想自体が魅力的な分、その実行状況を監視し評価するフェーズをしっかり設定しないと駄目だと思う。欲しいのは張り子の虎ではなく、実際の果実で個々人の幸せの実現だ。

ともあれ、このエントリの趣旨はそこではない。報道とは見せたくない物を見せない。そういう切り取りをするものだという話だ。

毎日新聞の9月12日報道

まず見出しを抜き出そう。

  • 教育無償化年内に方向性-「人生100年会議」財源会議始まる(2面下部)
  • 経済界「税財源が原則」-教育無償化負担増に難色 看板政策に重複感も(6面サイド)

読めば分るけれど、全然前向きに捉えていない。「財源どうすんだよ、そんな金無いよ。出したくない。税金でやってよ」という経済界側の言い分だけを取り出して、非現実的と断じたい勢いの報道姿勢だ。

そのどこにも検討内容を評価する物は無く冷たく「主な論点と課題」という表をおざなりに載せるだけだ。実際、紙面連動で毎日Webサイトに掲載しておらず、よほど社内での評価は低いのだろうと思わされる扱いだ。

しかし、若手の貧困であるとか待機児童とかのテーマは特集としてよく扱い、いかに問題かを訴求するのに紙面を割いてきた毎日新聞からするとこの対処は違和感しか感じない。経済界の意見というのは会議の中では一部分に過ぎない。民間議員からの提案や現状の問題を訴える声が溢れていたことなど一切触れていない。

日経新聞の9月12日報道

  • 給付型奨学金を拡充、首相が検討表明、授業料も減免(1面)
  • 人づくり革命、財源が争点、現役世帯へ給付拡大、与野党、次期衆院選にらむ。(総合面)
  • 教育無償化、期待と注文、若者「借金せずに進学」、支援者「学力サポートを」。(社会面)

こちらはバランス良くそれぞれの面で大きく扱っている。確かに財源が検討課題として大きいことは挙げているし、その背景として今後の衆院選への票集めを前提としている部分への指摘はある。

しかし、その一方でどういう方針であるか、若者の現状の苦難について具体例を挙げて記事化している。

終わりに

今回時間が無く二紙しか見ていないが、これでは毎日新聞のみを情報ソースにする人は「人づくり改革」の始動をあまり意識することは無いし、隅から隅までよむような人でも実現可能性が低い意義の低いものだと理解して終わるだろう。まさに偏向報道であろう。社の方針や観点で報道したくない物は報道しない。つまり知る権利を左右させることに躊躇が無く、報道内容を私物化しているのだ。

従前の毎日新聞の報道姿勢からはさもありなんと納得するところではあるが、正直もう少しマシだと思っていた。党派性よりも実際に何を目的として何をするかを着目すべきではないか?自分はそう思うのだけど、どうもそういう考えの人は少ないのかも知れない。