駄々洩れで自分達の思いしか垂れ流さない新聞は看板を下ろして日刊誌にすればよい
- マスコミは安易な結論を捏造したり色付けをする仕事ではない
- 松戸市小3女児誘拐殺人事件の報道で勇み足
- 大臣が失言すれば、そこを煽り立てるだけで背景を掘り下げない
- 駄々洩れで自分達の思いしか垂れ流さない新聞は看板を下ろして日刊誌にすればよい
- 勘違いしないで欲しいのですが
こんにちは!DAC(id:dacs)です。
今日は苦言を書きます。こんなこと書きたくないのですが、いい加減腹に据えかねました。
マスコミは安易な結論を捏造したり色付けをする仕事ではない
世の中の常識や業界の認識がどうかは知りません。自分は「マスコミは伝えるべき真実を脚色なく伝えるのが第一の仕事」だと思っています。
正確に言うならば、大概の事例において真実が何かというのは即座に分かりません。従って、実際にはその時点で確認がとれたヒアリング結果を報道することになります。地道にヒアリングや取材を継続し、深めることによって真実に近づいていこうとしていくことがマスコミの真骨頂と言えるでしょう。
そのために彼らには、現場情報に一次的に触れることが出来ます。調査し、検証し即座に報道に繋げるための人的、物的リソース、見識のある人へのリファレンスを組織化して所有しています。この点において一般人がかなうところはありません。
真実は簡単には分からない
しかし、繰り返しますが大概の事例において真実が何かというのは即座に分かりません。彼らの膨大なリソースを投入して尚簡単ではありません。
そのためでしょうか?彼らは二つ自分たちの存在意義を投げ捨てる行為に勤しむようになっています。
- 真実として確定してしていない事項に対して確定事項のように報道する
- 事件にかこつけて、事件にかかわる一切を特定の主張を載せるための材料にまで貶める
安易な結論に飛びつくのは誰でも出来る
そう。誰でも出来ます。それは見出しのキーワードだけ読んで、結論付けて自分に心地よい妄想を膨らまし喜怒哀楽を露にする多くの読者の得意技です。
そういった受け手が控えているからこそ、「何を書くか、何を書かないべきか」を冷静に判断できるのが最低限マスコミに求められる要素です。あなた方が報道するための環境を持っているのはそういう簡単ではないことを遂行するためです。あなた方に価値が認められるのはその一点だけです。
決して安易に結論に飛びついてそれを広く早く拡散することではありません。読者レベルに落ちた見識を披露して知らしめたところで、何の結果も生み出さないデマゴーグとして蟷螂の斧を振り回すのが関の山でしょう。
松戸市小3女児誘拐殺人事件の報道で勇み足
被疑者を犯人と表現して疑問に思わない
先だって、Twitterでの新聞社のつぶやきで看過できない表現を見かけエントリにしました。
www.gudaguda.work
現在取り調べを受けている被疑者を「犯人」と明記して拡散していました。流石にこれはまずかろうと思ってエントリを書いた後に当該のつぶやきは削除され「容疑者」と書き直したつぶやきが再投稿されていました。所詮つぶやきで新聞社のメインの出力先ではないから、単なる打ち間違いとして問題を広く指摘される前にこっそり削除したのでしょう。
集める被疑者の情報は犯人扱いを前提としたものばかり
同じような観点で以下のブログ記事が指摘しています。
news.yahoo.co.jp
被疑者が逮捕され取り調べをされているのは事実です。
しかし、それ以外の報道が本当に必要なのでしょうか?「被疑者の社会的な立場がどうであるか、被疑者の家族がどういう構成であるか、被疑者がどういう人生を歩んできたか」これは被疑者のプライバシーを侵害する行為です。はっきり言えば人権侵害です。
自分たちの仕事の範囲を理解出来ていない?
被疑者が犯人であるかどうかを確定判断するのは司法機関の仕事です。マスコミや読者が勝手にそれを決めて良い訳はありません。DNA鑑定結果など非常に濃厚な嫌疑がかかっていたとしても、それを以て現段階で断じる権限は誰にもありません。
DNA鑑定が決め手での足利事件冤罪と同じにならない保証がどこにありますか?精度が上がったとは言え、それはマスコミが判断して良いお墨付きにはなりませんよ
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何を勘違いしているのか分かりませんが、犯罪者の特定はあなた達マスコミの仕事ではありません。まして新聞が行って恥じないとはどういう料簡なのかと思います。状況をしっかり整理し、何を報じ、何を報じるべきでないか、その時々でしっかり選択する。それがあなたがたに期待されている仕事です。
大臣が失言すれば、そこを煽り立てるだけで背景を掘り下げない
時にウェブメディアや素人の方が観点が良い?
上記は先日の山本大臣の失言の中で触れていた「学芸員をクビにして改善を行った博物館」。これについて、議事録、大英博物館への取材と裏取りを行った結果大臣の誤認を認めさせるに至った素晴らしい記事です。
www.gudaguda.work
手前味噌ですが、自分も議事録には辿り着いていて大英博物館や英国環境行政文書を、17日にはあたっています。直接取材には至りませんでしたから、尚更ハフィントンの行動は素晴らしいのです。
後追いで昨日に毎日新聞が取材をしたと報道していましたが、これはハフィントンの記事の裏取りだけですよね。だからハフィントンが報じた以上の詳細情報を持っていないし、独自の観点も打ち出せていない。ただ概要を述べるに終始しています。実際のところ議事録にすら辿り着いていなかったのではないでしょうか?
自分たちが報道したい場所だけ切り出す
一方、他のマスコミは扇情的に山本大臣の不明を攻め立て、学芸員がいかに不当に扱われているかという煽り記事を大量に生産していました。「失言したぞ、それ叩け!!大臣の資質を問うて辞任に追い込もう」くらいの勢いで嬉々として群がるだけで何の発展性もありません。
mainichi.jp
確かに大臣の発言は無責任で学芸員に対する認識が偏っているだろうことは想像に難くはありません。しかし、それにしか問題意識が無いというのは偏向も極まれりと思います。ハフィントンポストのこの記事のように大臣の発言の背景には何があるかを掘り下げようという報道が他に目立って出てこないのは、途轍もなく異常なことだと思います。
例えば、以下の観点はどれだけ報道されましたか?
- インバウンド需要が特定の地域だけに集まっている状況にあってそれをいかに多くの地方に広げようかという観点
- インバウンド需要をオリンピックの開催に合わせて拡大することに成功した海外事例の研究する観点
- 海外のキュレータが日本の学芸員と異なり収入が高い一方で学究のみに携わっていない場合もあるという観点
- 国からの補助金の原資である税収に限度がある中でどう文化資産を保護していくかという観点
幾らでも課題はありますし、評価すべき点がある筈です。
しかし、それを一切この件での合わせて報道すべきことには位置付けず、ただただ「学芸員が不当な侮辱を受けた。この大臣は駄目だ」という結論に合わせての記事ばかりを書く。そこを突くことが出来なければ次の煽りネタを餌を探すイナゴの大群の如く探して回る。
本当に嘆かわしいです。
駄々洩れで自分達の思いしか垂れ流さない新聞は看板を下ろして日刊誌にすればよい
朝日新聞の偏向ぶりは特に酷い
どの新聞も酷いものですが、自分が特に酷いと感じているのは朝日新聞です。
「こう報道したい」「この切り口で切り出したい」という方向性が上から下まで組織的に徹底しているとしか思えません。事実をどう切り取るかによって偏りが生まれるのは必然的ですが、更にそれに味付けすることが定常的に行われています。
あの内閣じゃ仕方ないとも、やっぱり朝日だわ…とも。信用の無さレベルでは良い勝負だと思う。 https://t.co/UwnyNEHr0C
— dacs (@daccot) 2017年4月20日
内閣の文書が閲覧不能となっていたことで、すわ歴史修正かと大騒ぎで報道していた結果、リンク切れという話でした。こういうことばかり繰り返すから、信用が失われるのです。拙速で報道しなければ他社に先行される…とか、この大問題を広く知らしめねばという正義感は立派だと思います。しかし、それは新聞の看板を下ろして、日刊朝日を刊行してそこで報道すれば良いと思います。
あの社を挙げての大反省は一体何だったのか?
自分は2014年に朝日新聞の木村元社長が辞任に追い込まれた際、朝日新聞が変わることを期待しました。組織体として腐っていたとしても、個々の記者は真っ当な認識を持っており体制が変われば必ず報道機関として他を圧倒する存在になると信じたのです。
しかし、時を追うごとに失望し、絶望するに至りました。個々の記者の末端まで事実ではなく結果ありき感情ありきで取材し報道していることが分かってきたからです。
確かに彼らは個々には非常に優秀で知識も取材力もある。
だけど、3年前あれだけ問題視されたことと寸分変わらないことをやって自覚がありません。骨の髄まで腐っているというより、この点においてまともに機能している細胞が一つとして見当たりません。自意識ばかり肥大して、自分の心の正義と守ると決めた心の中の弱者だけを大事にして、独りよがりになる一方です。
これが週刊誌、例えば週刊文春や週刊新潮、或いはスポーツ新聞だったらそういうものだと思うのですが、新聞として事実報道をしている体で活動しているのは見るに堪えません。
ironna.jp
一体どこが痛恨の極みだったのでしょうか?蚊が刺したほどにも感じず喉元過ぎれば忘れてしまうようなものに何の痛みがあったのですか?
業界全体としておかしい
ironna.jp
産経新聞がどの面下げてこれを書いたのかと思います。
これは決して朝日新聞固有の問題ではありません。朝日新聞に期待していた分失望が大きいのであげつらいましたが、多かれ少なかれクオリティペーパーと称される位置づけの新聞は全て同じ問題を抱えています。
思想的に右であるか左であるかの差こそあれ、その一点を外せばどこの六つ子なのかと思うくらい親ですら判別できない程そっくりです。
それこそおそ松さんではなく「お粗末さん」でしょう。洒落たつもりがハマり過ぎて笑えないですよ。
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繰り返します。駄々洩れで自分達の思いしか垂れ流さない新聞は看板を下ろして日刊誌にすればよい。なまじ自分たちこそが事実をお伝えする新聞でございという顔をしている分だけ物凄くタチが悪いですよ。
勘違いしないで欲しいのですが
自分は別に被疑者が犯人ではないとは言っていません。大臣の発言は酷いものだったし、事実誤認もありました。現内閣の行動も傲慢且つ身勝手であり許し難い面があると思っています。だから、内心それらの報道にさもありなんと思うところはあるのです。
しかし、それはそれ、これはこれです。
決して「だから、これでいいのだ」になってはなりません。視野狭窄になって、今自分が見て感じているものがどういう位置づけのものであるか把握できなくなることはとても恐ろしいことです。何も考えず疑問を持たず正義感に浸り、心地よく全能感を謳歌する愚を冒してはいけません。それがいかなる結果を生むかは歴史を紐解けば自明だからです。