COOL CHOICE できるだけ一回で受け取りませんかキャンペーン
ondankataisaku.env.go.jp
環境省は本日3月29日に低炭素物流に関連して「COOL CHOICE できるだけ一回で受け取りませんかキャンペーン~みんなで宅配便再配達防止に取り組むプロジェクト~」のキックオフイベントを行いました。
環境省ですから名目は環境汚染低減、省エネですが、社会問題として注目を浴びている宅配便の再配達が引き起こす環境負荷と社会的損失対策は時宣を得たものと言えます。
山本環境大臣が本キャンペーンについて、「宅配便のうち約2割が再配達されており、年間9万人相当のトラックドライバーの労働負担、年間約42万トンのCO2排出増をもたらしていると推計されている。宅配便の再配達の削減、そしてCO2の削減に向け、「COOL CHOICE推進チーム」で展開する国民運動の一環として、新たなキャンペーンを開始する。」と挨拶をしました
- 当日資料(PDF形式)
キャンペーンの方向性、目標
- 再配達による CO2 排出量の増加や長時間労働による社会的損失
- 国民一人一人ができるだけ 1 回で受け取る(1 回での受け取りが難しい場合は、より少ない回数で受け取る)ために実施可能な取組
- 1 回で受け取ることが環境への負荷を下げるとともに受け取りたい荷物を円滑に受け取れ国民一人一人にもメリットがあること
- 仮に送料無料となっている場合も含め配送については実際には物流コストが発生しており一回で受け取らなければそのコストは更に深刻化すること
を国民に伝え、実際の行動へ繋げ国民運動を展開していくこと
具体的に利用者にしてほしいアクション
2つあるそうです。
受け取る時間帯を指定
あらかじめ受け取れる時間に時間帯指定を行うことで、自分が受け取ることのできる時間に荷物を届けてもらい、できるだけ1回で受け取る。
受け取る場所を指定
自宅の近くや通勤経路などに受け取れる場所がある場合にはあらかじめ受取場所を、宅配業者の営業所やコンビニエンスストアなどの受け取りが可能な場所を指定することで、できるだけ1回で受け取る
自分からすでにこういった動きをされている方は少なからずいると思いますが、具体的なガイドラインがあるのは意味があることだと思います。どうしても草の根で広げようとするとポイントがぶれて細かくなり、結局広く浸透しないことが往々にありますし…。
当面の対策
COOL CHOICE内の特設ページにて以下の情報発信を行うそうです。
- 各事業者の取り組み
- 国民の実践できる宅配便再配達防止の方法
- COOL CHOICEのイメージキャラクターを活用した再配達削減を促すための動画の公開
もうちょっと具体的にして欲しいですが、キックオフですしとりあえずこんな感じでしょうか?クールビズやウォームビズも単に一省庁の動きではなく、内閣が率先して服装を変えるポーズを示すなど複合的なアピールにより現状の浸透が成り立っています。実際今回も経済産業省及び国土交通省との連携を前提としています。
キャンペーンページ
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まだぺら紙一枚みたいなページですが、その割の文字が多くごちゃごちゃしている感じです。
個人的な所感
まだ数あるCOOL CHOICEキャンペーンの一つという感じでとりあえず纏めてみました感が強いと思います。でも、個人的にはこういう流れにして利用者への啓蒙をするのは大事なことだろうと感じました。とりあえずフルアクセルを踏むのではなく「できるだけ」とキャンペーン名やアクションに入れたセンスは素晴らしいです(役所のセンスとは思えません)。
ただ、一方で受け取り環境をコンビニのように保管する場所に制約があり、管理する人を増やしたり手当を厚くしなければ成立しにくいことの認識があるかどうかが気になりました。
コンビニは確かに多く配置され適任のように見えますが、今の環境下でそのまま業務負荷を転嫁するのは間違いだと思っています。また、宅配業者の事務所に取りに来るというのもあまり現実的にあり得ない選択肢のように思います。
各省庁や業界団体が連携するならば、相応に利便性のある受け渡し場所とそれを運用する負荷をきっちり収支をつけて運用できるよう計画付ける必要があります。ポーズだけかっこよくして、国民によろしくでは通る話も通らなくなります。
今後どの程度本腰を入れて展開されるのかが楽しみです。
プロジェクトとの関係は定かではないですが
まさに指摘していた部分に早くも手が打たれ始めました。ヤマト運輸が自前でセブンイレブンに宅配ボックスを置くとのこと。
www3.nhk.or.jp
素晴らしい!ただこういうのこそ業界共通にすべきだし、拡充の観点からプロジェクトが基金を募って補填すべきだと思う。
他の運輸会社でも使えるようにすることを検討とのことだが、ヤマト運輸の持ち出しになるのはマズイし使用料金を取るのもスマートではない。