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ふるさと納税に係る返礼品の送付について現場の関係者の認識が意外にまともだったこと

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こんにちは!DAC(id:dacs)です。

平日だとあまり時間が取れないのでザックリと文字だけでいきますね。
今回は、表題の通り「ふるさと納税に係る返礼品の送付について関係者の認識」についてです。

意外にまともとは失礼でしょ!

そう憤慨される方もいらっしゃるかもしれません。でも、自分は意外だと思いました。
www.gudaguda.work

これ、少し前に書いたふるさと納税について茶化し気味に書いたエントリです。自分の認識では地方自治体は地方税の流動性が高まることによって、流入の多い勝ち組はウハウハで「もっとやれ」状態、持ち出しの多い負け組は「いますぐこんな糞制度止めろ」という二極分化されてるだろう…と思っていました。

しかし、そこまで自己中心的な観点に染まっている関係者は表立ってはいないということが総務省のヒアリング結果を読むことで分かりました。

ふるさと納税に係る返礼品の送付等について

www.soumu.go.jp
総務省は「ふるさと納税に係る返礼品の送付等について」と題して、以下の3つの大分した関係者にヒアリングをかけています。

  1. 有識者
  2. 地方自治体の実務者
  3. 全国知事会、全国市長会、全国町村会

いずれも普通には聞くことが出来ない、ふるさと納税を支えている人たちの声でとても貴重な内容です。

ヒアリングの項目は以下の5つの大項目について行っています。

  1. ふるさと納税の評価
  2. ふるさと納税を健全に発展させていく上での課題
  3. ふるさと納税に係る返礼品に対する考え
  4. 過度な返礼品競争についての問題と対応
  5. 今後のふるさと納税のあり方

この項目建ては総務省から関係者に通達しているものです。見て分かる通り、ピンポイントに返礼品の位置づけについてどういう認識を持っているかの確認、現状の返礼品競争を過剰と断じたうえでの問題と対応、今後のあるべきという骨組みとなっています。つまり、一般人が持つ問題意識と相違ないところを軸をずらさずに聞いています。

自分は総務省や地方自治体関係者、有識者は揃いもそろって同じ穴のムジナで、お互いに痛いところを握り合っているから、お茶を濁すだけだろう…と思っていました。しかし、現実はそうでは無かったようです。

今回は直接総務省の資料を見ていますが、ここで間にマスコミが入ると自分がしたような解釈を間に割り込ませたダイジェストを作る恐れがあります。ですので、こういった内情そのままを知ることが出来る資料というのは大事だなと思いました。

自分が不勉強というのが大きいのですが、各省庁は日々こういった調査や統計を纏め、公表しています。自ら知ろうと思えば知ることが出来るのに、マスコミがそれを掘り出して、キュレートし、分かりやすい形にしてくれるまで何も知ろうとしていないということを改めて自覚しました。

自分が興味深いと思った点

有識者のふるさと納税に関する評価

一つを例に挙げると以下のようなものがありました。


ふるさと納税制度を創設した理念は、ふるさと再生の志のある資金を、寄附者のメッセージとともにふるさとに届けるシステムの構築にあった。そもそも資金総額は長期的には大きなものではないことが予想され、それによって地域間格差の安定的な解消は困難。

それよりも、ふるさとを見つめる目、見守る目が大切。そのためには、各自治体は、具体的なふるさと再生のためのプロジェクトを掲げてふるさと納税を募るべきであり、実践している自治体も存在する。返礼品競争に明け暮れるのは論外であるが、多くの自治体は真面目に取り組んでいるとも聞く。このような制度創設の理念に沿って、現在の状況を検証、評価することが重要ではないか。

現実にはお金を地方税として渡して、その見返りに返礼品を渡すという冷たい関係があるだけです。もしかすると、納税者には内心応援の心があるのかもしれません。でも、それをメッセージとして伝えているかと言えば、していませんよね。動くのはお金と商品だけ。カタログショッピング、ECサイトみたいと言われるのは、嫌味でもなんでもなく実際の運用が全くそれらと変わらないからです。

また、資金流出や流入の大きさが一部指摘されてはいますが、そもそも未だにふるさと納税を実際に行っている納税者数はたかが知れています。元々、納税の地域間格差を埋める観点が制度設計の中にありましたが、機能するには全く不足で不安定であるという指摘も正しいです。

そして、特に興味深かったのが、何のための納税であるか、渡したお金によって何をなすかという目的を地方自治体が明確にしていないことを指摘している部分です。「お金をくれたら本気出す!」「何かしら役に立てるからね」として適当に大きな財布の中に歳入として入れている現状を看破しています。

せっかく寄付をする訳ですから、それが何のために使われるのか最初から明確にしておけば納税者のお金に意味が生まれます。

今は返礼品が無事受け取れれば後は納税先がどうしようと興味を持たない納税者ばかりです。でも、目的を最初に示してその実現のためにいくら必要で、目標額に達したらいつまでに実現すると約束すれば、納税した後どう使われてどういう結果を出したかを知りたいと思うようになる筈です。それこそ部房と再生の志のある資金です。

現場担当者意見にも面白いものがありました


・ 具体的な上限を設定すると、現在返礼品を送付していない団体が一斉に参加して、返礼品送付が当たり前のものとなってしまうかもしれないので、やる場合でも表現は慎重に考えるべき。

有識者の回答に比べると断片的で凡庸なものが多いのですが、中には変わった観点も含まれていました。上記は返礼品の価格上限を定めるべきという意見が多くを占めている中で、その問題点を指摘したものです。なるほど、価格を下げたら下げたで、返納割合を定めたことにより返礼品をする前提が出来てしまうという指摘は一理あると思いました。

まだ読み切っていませんけれど

意外とこういった資料は誰にも気づかれないか、知る人ぞ知るみたいな物となってしまいがちだと思います。

その一方でマスコミが報道する切り口、或いは自分の観点や想像で「ふるさと納税とはこういうものである。だからこうせねばならぬ」といった判断に傾きがちなことに自覚的になる必要があると思いました。

まだ、ザザッと目を通しただけですから、余力があるときに詳細を読み込んだうえで補足追記出来れば…と考えています。