誰もが学ぶべき!何が本当の需要かを掴み一歩先を提案しつつ継続を目指すHUAWEIの製品戦略
こんにちは!DACです。
今日は中国スマホメーカのHUAWEIについて少し話します。といっても、別に裏話とか製品スペックの話ではなく、単に世間話みたいなものです。
HUAWEIとは
数ある中国スマホメーカの中でも日本での販売に力を入れているメーカです。
わざわざこう書くのは、VIVO、MEIZU、OPPO、XIAOMIなど群雄割拠の中国スマホメーカの多くは、市場を中国内需中心にしていることが多いのです。最近は中国国内にとどまらずインドやアフリカなどにも積極的に市場開拓、現地工場設置を行っていますが対日本となると目立つのはHUAWEIとZTEくらいだからです。*1
HUAWEI製品の特徴
- 日本向けにコストパフォーマンスの高い、デザイン的にも廉価版で高級機種に遜色ない製品を開発
- 廉価モデルでも要所を押さえており、欠点の少ない製品を提供(P9LiteなどLiteシリーズNOVAシリーズが特に顕著)
- 中・高級モデルは同価格帯の他者製品を圧倒する仕様の製品を提供(Mateシリーズ、P10など)
- デュアルカメラ型、ライカとの提携など個性的なモデルも早期に手掛けた(今では他者の後続類型モデルもあるが、先行していた)
- 1年単位で新製品を提供
台湾のASUS製品などと競合する製品が多いが、日本ユーザのMVNOユーザ向けなどに需要に合わせて絶妙な価格と機能を組み合わせることに長けています。OPPOが中国内でセルフィや高速充電で他社を圧倒して国内1位と取りましたが、即座に写真の自動美化機能、高速充電を日本向けの自社製品に取り入れる部分も抜け目ありません。*2
今回のネタ元
概要
- 2016年ヒット製品HUAWEI P9 liteが日本国内で売れた理由は、日本の消費者が求める機能、価格帯をあらかじめ分析しそれにあわせて売り出したため
- P10 Plus/P10といった高級製品では新機能「ポートレードモード」をはじめ、さまざまな撮影モード・機能を活用して「SNS映え」する写真を簡単に撮れる機能を追加
- 充電は朝の30分だけで出来るという高速充電機能を廉価版を含むほぼ全機種に追加
- 手の第二関節で操作可能なナックルジェスチャー機能を廉価版を含むほぼ全機種に追加
所感
基本はP10系の2017年モデルの宣伝も兼ねた記事です。ただ、対日本、韓国向けの責任者である呉波氏の発言の節々に「なるほど」と感じ入る部分が幾つかありました。
高級ブランド他社は画期性をアピールする
国内ではメーカの人は勿論消費者もマーケット用語や解説記事に毒されています。曰くイノベーションだ、画期的な機能だ…と一見新味のある要素を見つけてはまるで「今まで見たことも聞いたこともない世紀の大発明」のように目をキラキラさせて語ります。昨今であればiPhoneに代表されるApple製品などはまさにその代表格でしょう。
しかし、現実的にはiPhoneの実装する様々な機能は過去に他の製品が提供しているものの焼き直しであることが多いです。使用している部品も最先端のものは少ないです。ただ、全体のバランス取りや挙動の細かい調整、アピールの仕方が絶妙であるため、まるで他が追随できない何かのように評されるのです。
HUAWEI製品は画期的ではないけど他社に勝る部分をアピールする
それに対してHUAWEI製品は、そういった一目で惹きつけられるパッとしたセールスポイントは多くありません。ただ、実際に触ってみるととにかく欠点が目立たず、価格の割に出来が良いのです。高級機種であろうとiPhoneや三星製品、ソニーモバイルといったメジャーブランドの通常製品より安く満足いくものとなっています。
無理せず継続する強さ
記事のタイトルにも含まれている「社内でよく言っていることだが、人より3歩進むと往々にして犠牲者となって消え去っていくが、1歩だけ進むとパイオニアとして成功者になる。今後に向けて、そうしたいい“隠し玉”なら用意している」
という部分がまさにこの部分です。
決して無理はしないのです。背伸びはしない。でも、だからといって同業他社の中では埋没せず「HUAWEIならでは」を継続的に提供する強さがあります。
本当に求められ、使われるだろうものを提供する
スマートフォンは既に高機能な端末で何でもありな万能機械となっています。ただ、高機能であれば良いというのは間違いで、どんなに高機能で便利でもユーザが使わないのであれば、それは必要のない機能なのです。この点も製造者、消費者共に誤解しがちな点です。
機能は提供されたからと言って使われる訳ではないし、使わなければいけないものでもありません。必要とされて初めて使われるのです。
必要でもないのに実装された機能は、その機能を開発し実装するためにコストとして価格に上乗せされます。
しかし、それは贅肉なのです。不要なものなのです。
そこを見極めて取捨選択し、求められ使われるものは漏らさないようにしっかり取り込みつつ許容される最上限を見極めつつ価格を下げる。こう書けば理屈上は分かるでしょうが、言うは易く行うは難しです。
日本にR&D機能を持たせた施設を設置するのも道理
最近話題に挙がったHUAWEIの国内新施設設置もこのように報じられています。上記の製品戦略を裏付けるものであるように感じ、道理だなあと思いました。
- 新設する施設は「工場」ではない。品質をさらに向上させるための"製造プロセス"をパートナー企業とともに研究するための「製造プロセス研究ラボ」であり、「R&D施設」。
- このR&D施設で培った製造プロセスの技術は、日本向け限定ではなく、世界市場に向けて出荷する通信設備や関連機器に生かされる。
終わりに
小生はヒット製品となったP9Liteを愛用しています。でも、このエントリは別にHUAWEIの凄さを褒めたたえるために書いたわけではありません。
- 無理せず継続する強さ
- 本当に求められ、使われるだろうものを提供する
先に書いたこの二点は小生自身がブログ運営で目指す大事なポイントと全く同じなので「おー!これこれ、呉波さん分かってるじゃん*3凄い!(*‘ω‘ *)」といたく共感したので取り上げました。
目指しているだけで今もって出来ている感はあまりないのですけれど、「教えて!ヒャッハー委員会!」で目指しているのは同様に「再現性のある」「堅実な需要と供給の紐づけ」だったりするのです。
この考え方、姿勢というのはものづくりをする人は勿論、前向きに生産性をもって生きていく上でとても大事なことなのだろうと自分は思います。